2014.11.25
「田中正造とその周辺」 この1冊の本から
今年の7月、明治時代に起きた足尾銅山鉱毒事件に取り組んだ、田中正造に関する1冊の本を買った。それは、赤上剛著の「田中正造とその周辺」(随想舎刊)という新刊書で、田中正造の人間像について、新たに迫った本だ。この本の購入直後に、足尾銅山の記録映画「鉱毒悲歌」が40年がかりで完成、7月26日に宇都宮で上映会があるとの案内を新聞で知った。これを逃したらもう見る機会はないだろうと思い、妻と二人で湘南新宿ラインの電車に揺られて宇都宮へ。上映会場は、宇都宮駅からさらにバスで30分ぐらいと聞き、宇都宮ギョーザで腹ごしらえをしてバスに乗った。バスの中で、先日買った本の著者赤上さんと思しき人を発見。私は行く前からこの映画会には、きっと赤上さんも見えるだろと思って著書を持参。バス停で降りた5人は5人とも、上映会の参加者だった。上映の前に、赤上さんを捕まえ、著書にサインをお願いした。すると名刺を頂いて、「お仕事は何をやっていますか?」と問われ、「古本屋です」というと、「私の仕事は、古本屋さんナシでは仕事ができません。金曜・土曜は可能な限り古書会館へ通っています」との話。
そんなやり取りをした後、上映会が始まった。制作委員長の挨拶で「10人も見に来てくれれば、いいなと思っていました。」と言っていましたが、狭い会場に200人は超えていたのでしょうか。床の上のじかに座って見ている人も多く、冷房は全く効かず、あまりの暑さに音をあげての、汗だくの鑑賞でした。
このドキュメンター映画に登場した立松和平さんをはじめ、谷中村の人など、多くの人はもう亡なってしまったようです。鉱毒問題が治水問題にすりかえられ、谷中村の人たちは強制立ち退きを迫られ、那須や北海道の佐呂間で開拓にあたりました。佐呂間原野は想像を絶する悲惨な状態で、一番弱い幼児たちから亡くなっていきます。
こういった経緯は、100年たった今般の福島の原発事故でも全く同じ構図です。農民が故郷を奪われたと同じように、福島の人たちも故郷を追われました。
被害対策後回しで、銅の増産に力を入れたように、原発の事故処理や被害民の救済よりも、原発の再稼働や輸出に力を入れているのが今に日本の実情です。
映画終了後、テレビ局のインタービューを受けていると、赤上さんがやってきて、「市川さん、足が無いんでしょ。田中正造記念館の事務局長が車で宇都宮駅まで送ってくれるそうで、一緒に乗せもらいませんか?」と誘ってくれた。
車には、毎日新聞の記者もおり、映画の感想を聞かれた。すると8月の新聞にこの「鉱毒悲歌」の映画の紹介と、私のコメントも載せて頂いた。
この記事から、私もこの映画の上映運動をしてみようと思い、練馬の図書館に話して、2月に上映しましょうとのお話を頂いた。
まだ他の会場でも上映が出来ればと考えているのですが、この一冊の本を購入し、サインを頂いたことから、新聞に私のコメントが紹介され、さらに映画の上映会まで実行することになり、自分でも、驚いているのです。
そんなやり取りをした後、上映会が始まった。制作委員長の挨拶で「10人も見に来てくれれば、いいなと思っていました。」と言っていましたが、狭い会場に200人は超えていたのでしょうか。床の上のじかに座って見ている人も多く、冷房は全く効かず、あまりの暑さに音をあげての、汗だくの鑑賞でした。
このドキュメンター映画に登場した立松和平さんをはじめ、谷中村の人など、多くの人はもう亡なってしまったようです。鉱毒問題が治水問題にすりかえられ、谷中村の人たちは強制立ち退きを迫られ、那須や北海道の佐呂間で開拓にあたりました。佐呂間原野は想像を絶する悲惨な状態で、一番弱い幼児たちから亡くなっていきます。
こういった経緯は、100年たった今般の福島の原発事故でも全く同じ構図です。農民が故郷を奪われたと同じように、福島の人たちも故郷を追われました。
被害対策後回しで、銅の増産に力を入れたように、原発の事故処理や被害民の救済よりも、原発の再稼働や輸出に力を入れているのが今に日本の実情です。
映画終了後、テレビ局のインタービューを受けていると、赤上さんがやってきて、「市川さん、足が無いんでしょ。田中正造記念館の事務局長が車で宇都宮駅まで送ってくれるそうで、一緒に乗せもらいませんか?」と誘ってくれた。
車には、毎日新聞の記者もおり、映画の感想を聞かれた。すると8月の新聞にこの「鉱毒悲歌」の映画の紹介と、私のコメントも載せて頂いた。
この記事から、私もこの映画の上映運動をしてみようと思い、練馬の図書館に話して、2月に上映しましょうとのお話を頂いた。
まだ他の会場でも上映が出来ればと考えているのですが、この一冊の本を購入し、サインを頂いたことから、新聞に私のコメントが紹介され、さらに映画の上映会まで実行することになり、自分でも、驚いているのです。
カテゴリ:書物のまほろば
2014.05.14
教育勅語について
我が家の前の道路は、小学校の通学路です。4月になりピカピカの1年生が、みんなと一緒に登校しはしめました。我が家の2階の孫にも、そのピカピカの1年生がいます。当初1週間ほど、登校は父兄と上級生と一緒の集団登校、帰りは先生と一緒に下校です。嫁から、あの人が校長先生と教えてもらいましたが、70歳の私から見れば「若いお兄ちゃん」という感じがしました。私の小学校の卒業時の校長先生は、年配でひげをはやした風格のある先生でした。
大阪の二女の男の子は、小学4年生。孫はやっと男の先生になったと喜んでいましたが、私の娘いわく、その男の先生は、去年学校を卒業したばかりで、何か頼りない感じがするし、「好きな食べ物はスイーツで、趣味は、美味しいスイーツを食べながらおしゃべりすること、なんだって」、と電話で話していました。「スイーツ男子」という言葉があるようです。
北九州の長女宅の長女は、高校2年生となり、ワンランク上のクラスを目指していたけど上にいけなかったそうで、成績により、クラスが変わるというのもずいぶんコクな話という感じもしましたが、受験戦争は私たちも通って来た道。大いに揉まれることも、大事なことと思ったものでした。
さて、先日、東京新聞を見て「やっぱり」と思いました。安倍流教育改革で、ますます現場が疲弊し「よい先生が消える」という見出しでした。それは、第一次安倍内閣の改正教育基本法では手ぬるいとした安倍首相が、愛国心をさらに強調。 「お国のために」の洗脳を、次々と進めているとの記事でした。沖縄の竹富町の教科書問題。この育鵬社の教科書をつかっている横浜市のベテラン教員は、「政府が進めるこの教科書は、改憲を誘導し、お国のために立派な国民になれと、マインドコントロールをしようとしているようだと」、批判していました。
政治が教育に介入しては、現場が大変です。ちいさな規模の学校ほど、教員が少なく、負担が大きい。とりわけ若い教員は雑務を押し付けられやすく、教科書を研究したり考えたりする余裕をなくし、国が強要する教科書通りの授業をやらせようとしている。これでは、安倍流教育改革の行きつく先は、公立学校から良い教員が消える、あるいはマニュアル通りの教員ばかりになるという記事でした。
安倍首相の盟友下村文部大臣は、「教育勅語」の復活を目指しているようです。
戦後何度も「教育勅語」の話が浮上し、東郷平八郎が登場したりしました。 戦前、教育勅語を暗記させられた人の中には、あれは良かったという人が何人もいます。確かに、親に孝行、兄弟仲良く、夫婦相和は、良いのですが、最後で「一旦緩急あれば義勇に奉じ」、つまりいざまさかの時には、お国のために進んで戦争に行けというものです。
日本の戦国時代には武士が群雄割拠して、戦争の繰り返しでた。今の日本国内でたとえば、東京都と千葉県が境界争いで武器を持って戦うなんてことは考えられません。話し合いかどうしても決着しなければ、裁判で決着を図ればよい訳です。
世界各国でも、もう少し時間が必要かもしれませんが、話し合いで解決する努力を重ねれば、戦闘機やミサイルも必要なくなります。政治家は、人間の命を大切にすべきですし、外国との戦争ばかりを考えず、世界各国がともに助け合う努力が必要です。
そして我々も、政治に無関心であってはならず、どうあるべきかを考え、発言し、我々が、政治家を動かしてゆくことが大切です。
超格差社会がどんどん進展していますが、我々自身も、「自立自助」を忘れず、困難な社会を生き抜いて、次の時代にバトンタッチして行く必要があると考えています。
◆教育勅語 軸物3点 額1点
教育勅語図解(大正6年大日本国民教育会・表層の部分切れ・補修)
漢文掛け軸(桐箱・玉渚宮松茂書)
御勅語(桐箱入り・横長)
額入(40×68センチ)
合計で、38,800円です。どうぞ、よろしくお願い致します。
大阪の二女の男の子は、小学4年生。孫はやっと男の先生になったと喜んでいましたが、私の娘いわく、その男の先生は、去年学校を卒業したばかりで、何か頼りない感じがするし、「好きな食べ物はスイーツで、趣味は、美味しいスイーツを食べながらおしゃべりすること、なんだって」、と電話で話していました。「スイーツ男子」という言葉があるようです。
北九州の長女宅の長女は、高校2年生となり、ワンランク上のクラスを目指していたけど上にいけなかったそうで、成績により、クラスが変わるというのもずいぶんコクな話という感じもしましたが、受験戦争は私たちも通って来た道。大いに揉まれることも、大事なことと思ったものでした。
さて、先日、東京新聞を見て「やっぱり」と思いました。安倍流教育改革で、ますます現場が疲弊し「よい先生が消える」という見出しでした。それは、第一次安倍内閣の改正教育基本法では手ぬるいとした安倍首相が、愛国心をさらに強調。 「お国のために」の洗脳を、次々と進めているとの記事でした。沖縄の竹富町の教科書問題。この育鵬社の教科書をつかっている横浜市のベテラン教員は、「政府が進めるこの教科書は、改憲を誘導し、お国のために立派な国民になれと、マインドコントロールをしようとしているようだと」、批判していました。
政治が教育に介入しては、現場が大変です。ちいさな規模の学校ほど、教員が少なく、負担が大きい。とりわけ若い教員は雑務を押し付けられやすく、教科書を研究したり考えたりする余裕をなくし、国が強要する教科書通りの授業をやらせようとしている。これでは、安倍流教育改革の行きつく先は、公立学校から良い教員が消える、あるいはマニュアル通りの教員ばかりになるという記事でした。
安倍首相の盟友下村文部大臣は、「教育勅語」の復活を目指しているようです。
戦後何度も「教育勅語」の話が浮上し、東郷平八郎が登場したりしました。 戦前、教育勅語を暗記させられた人の中には、あれは良かったという人が何人もいます。確かに、親に孝行、兄弟仲良く、夫婦相和は、良いのですが、最後で「一旦緩急あれば義勇に奉じ」、つまりいざまさかの時には、お国のために進んで戦争に行けというものです。
日本の戦国時代には武士が群雄割拠して、戦争の繰り返しでた。今の日本国内でたとえば、東京都と千葉県が境界争いで武器を持って戦うなんてことは考えられません。話し合いかどうしても決着しなければ、裁判で決着を図ればよい訳です。
世界各国でも、もう少し時間が必要かもしれませんが、話し合いで解決する努力を重ねれば、戦闘機やミサイルも必要なくなります。政治家は、人間の命を大切にすべきですし、外国との戦争ばかりを考えず、世界各国がともに助け合う努力が必要です。
そして我々も、政治に無関心であってはならず、どうあるべきかを考え、発言し、我々が、政治家を動かしてゆくことが大切です。
超格差社会がどんどん進展していますが、我々自身も、「自立自助」を忘れず、困難な社会を生き抜いて、次の時代にバトンタッチして行く必要があると考えています。
◆教育勅語 軸物3点 額1点
教育勅語図解(大正6年大日本国民教育会・表層の部分切れ・補修)
漢文掛け軸(桐箱・玉渚宮松茂書)
御勅語(桐箱入り・横長)
額入(40×68センチ)
合計で、38,800円です。どうぞ、よろしくお願い致します。
カテゴリ:書物のまほろば
2012.12.18
火宅喩あるいはタイタニック症候群
11月の日曜日に、妻と二人で深川のお不動さんに行ってきました。深川のお不動さんと云うのは、千葉の成田山新勝寺の別院で、私は、まだ行ったことがありませんでした。確かその近くに富岡八幡宮があり、そこは子どものときに父親に連れられて行ったことがあり、朱塗りの社殿をもう一度観たいと思っていました。(朱塗りの社殿は、絵葉書の記憶かもしれませんが・・・)
地下鉄の門前仲町からでると、ちょっとした門前町の風情を楽しみ、本堂に向かいました。本堂の中には参拝順路あり、入口近くの旧本堂の場所には大きな木造の、おねがい不動尊が安置され、初穂料1ヶ月間1万円以上と大きく書いてありました、本堂はどこなのかとみると、旧本堂の横に位置し、護摩壇と階段状の長椅子が見えました。千葉の成田さんの本堂は畳敷きですが、こちらは椅子席でしかも階段状です。この新本堂は4階建てで順路に従って一回りすると、なかなか見応えのある場所でした。またお賽銭銭箱の多いのには、びっくりしました。ざっと計算しても500や600ではなく、1000以上はあると思われました。また仏像の奉納は、3寸で50万円、1尺で500万円とありました。昔サラリーマンの時に、千葉の成田山に大塔を建立するというので、黒い袈裟を着たお坊さんが二人で、会社に寄進の依頼にきた時を思い出しました。成田さんは商売が上手だと誰かが言っていましたが、考えられ得るすべての場所にお賽銭箱を置く企業努力(?)、これは商人として学ぶべきことなのかもしれないと思ったものでした。
順路を回り終えて本堂に戻ると、丁度護摩修業の時間になっていましたので、椅子に座って参拝することにしました。千葉の成田山とほぼ同じやり方で、大太鼓が鳴り響き、お坊さんの1団がホラ貝の先導で入場、お経をあげながら護摩が焚かれます。最後のお説教で終了です。
お不動さんを出て、お昼は、深川飯を食べました。物の本によると、明治時代、深川飯と云うのは最下層の人が食べるもので、臭いので鼻をつまみながら食べたとありましたが、鼻をつままなくても、美味しく食べられました。
富岡八幡宮は、お不動さんのすぐ隣りにありました。境内では、骨董市が開かれており、社殿に向かうと中で結婚式が行われて、何かうれしいような気分を頂きました。
帰りに喫茶店に入って、一休みです。そこでお不動さんで頂いた雑誌を開いてみました。この雑誌の巻頭言に有名な「火宅の話」がでていました。法華経の中にでてくる火宅喩の話です。
或るところに長者の邸宅があったのですが、そこが火事になってしまう。中にいた子どもたちが遊びに夢中なって、家が火事になっていることに気がつかない。父親は早く逃げるようにと促すが、子どもたちは聞き入れようとしない。そこで父親は一計を案じて「外 には羊・鹿・牛の牽く車があるぞ」と呼びかけると子どもたちは火宅から走りでてきた。
と云う話ですが、この成田さんの雑誌では原発についてふれており、今原発について国論が二分し、論争が行なわれている。どちらにも言い分・利があるようにみえるが、原発温存論者の視点は、火宅喩の子供たちと同じで、目先の生活とか原発関係者の利益のことしか見えていない。原発の安全性が仮に100パーセント確保されたとしても、放射性廃棄物の処理方法・廃棄場所な何一つきまっていない。子孫が放射性廃棄物に埋もれるのを、み仏たちはお許しにならない、というものでした。タイタニック症候群というのも一緒で、乗客も船員たちも世界一の豪華客船に興奮し、気が付けば氷山と衝突してしまったのです。
帰りの電車の中で今日一日を振り返り、私も火宅の子供たちや、タイタニック症候群であってはならないと思いつつ家路につきました。日本では原発に反対する人が7割だそうですが、原発を推進する自民党が第一党になり、その辺のギャップは、少選挙区制のひずみなのか,多数の政党が乱立したせいなのか、棄権者が多かったのか・・・
子どもたちに少しでも、負の遺産を減らしたいと思っているのですが、まだまだやることがいっぱいあるのです。
在庫品
『法華経大講座 全12巻揃』
小林一郎 著 久保田正文 増補/日新出版/昭和41発行/\18,900 (本体 \18,000)
5版 函イタミ ビニールカバー 蔵書印 小口シミ 第3巻・10巻本文ヤケ 少線引き
地下鉄の門前仲町からでると、ちょっとした門前町の風情を楽しみ、本堂に向かいました。本堂の中には参拝順路あり、入口近くの旧本堂の場所には大きな木造の、おねがい不動尊が安置され、初穂料1ヶ月間1万円以上と大きく書いてありました、本堂はどこなのかとみると、旧本堂の横に位置し、護摩壇と階段状の長椅子が見えました。千葉の成田さんの本堂は畳敷きですが、こちらは椅子席でしかも階段状です。この新本堂は4階建てで順路に従って一回りすると、なかなか見応えのある場所でした。またお賽銭銭箱の多いのには、びっくりしました。ざっと計算しても500や600ではなく、1000以上はあると思われました。また仏像の奉納は、3寸で50万円、1尺で500万円とありました。昔サラリーマンの時に、千葉の成田山に大塔を建立するというので、黒い袈裟を着たお坊さんが二人で、会社に寄進の依頼にきた時を思い出しました。成田さんは商売が上手だと誰かが言っていましたが、考えられ得るすべての場所にお賽銭箱を置く企業努力(?)、これは商人として学ぶべきことなのかもしれないと思ったものでした。
順路を回り終えて本堂に戻ると、丁度護摩修業の時間になっていましたので、椅子に座って参拝することにしました。千葉の成田山とほぼ同じやり方で、大太鼓が鳴り響き、お坊さんの1団がホラ貝の先導で入場、お経をあげながら護摩が焚かれます。最後のお説教で終了です。
お不動さんを出て、お昼は、深川飯を食べました。物の本によると、明治時代、深川飯と云うのは最下層の人が食べるもので、臭いので鼻をつまみながら食べたとありましたが、鼻をつままなくても、美味しく食べられました。
富岡八幡宮は、お不動さんのすぐ隣りにありました。境内では、骨董市が開かれており、社殿に向かうと中で結婚式が行われて、何かうれしいような気分を頂きました。
帰りに喫茶店に入って、一休みです。そこでお不動さんで頂いた雑誌を開いてみました。この雑誌の巻頭言に有名な「火宅の話」がでていました。法華経の中にでてくる火宅喩の話です。
或るところに長者の邸宅があったのですが、そこが火事になってしまう。中にいた子どもたちが遊びに夢中なって、家が火事になっていることに気がつかない。父親は早く逃げるようにと促すが、子どもたちは聞き入れようとしない。そこで父親は一計を案じて「外 には羊・鹿・牛の牽く車があるぞ」と呼びかけると子どもたちは火宅から走りでてきた。
と云う話ですが、この成田さんの雑誌では原発についてふれており、今原発について国論が二分し、論争が行なわれている。どちらにも言い分・利があるようにみえるが、原発温存論者の視点は、火宅喩の子供たちと同じで、目先の生活とか原発関係者の利益のことしか見えていない。原発の安全性が仮に100パーセント確保されたとしても、放射性廃棄物の処理方法・廃棄場所な何一つきまっていない。子孫が放射性廃棄物に埋もれるのを、み仏たちはお許しにならない、というものでした。タイタニック症候群というのも一緒で、乗客も船員たちも世界一の豪華客船に興奮し、気が付けば氷山と衝突してしまったのです。
帰りの電車の中で今日一日を振り返り、私も火宅の子供たちや、タイタニック症候群であってはならないと思いつつ家路につきました。日本では原発に反対する人が7割だそうですが、原発を推進する自民党が第一党になり、その辺のギャップは、少選挙区制のひずみなのか,多数の政党が乱立したせいなのか、棄権者が多かったのか・・・
子どもたちに少しでも、負の遺産を減らしたいと思っているのですが、まだまだやることがいっぱいあるのです。
在庫品
『法華経大講座 全12巻揃』
小林一郎 著 久保田正文 増補/日新出版/昭和41発行/\18,900 (本体 \18,000)
5版 函イタミ ビニールカバー 蔵書印 小口シミ 第3巻・10巻本文ヤケ 少線引き
カテゴリ:書物のまほろば